フライフィッシングって難しいの?
フライフィッシングは決して難しいわけではありません。ちょっと独特がゆえに難しいと感じてしまうのだと思います。
今回は、その難しいと感じてしまう原因の一つである基準や使い分けについて説明していきます。
知って、始めてしまえばすぐに慣れてしまい、「取っ付きづらさ」はあっという間に過去の話になるでしょう。
出来るだけ端的に表現したいと思いますが、周辺情報を多少加えることで長文になってしまいます。
時間を掛けたくない人や、長文は読みたくないという人は太字を追っていただければ掴めると思います。
下図にフライフィッシングのタックルシステムを載せておきます。
フライフィッシングに必要な道具については「フライフィッシングを始めるための道具」をご覧ください。
番手について
道具と言いつつも、フライフィッシングの道具について理解するためにはまず「番手」という基準を分かっておく必要があります。これはとても重要です。
こういうめんどくさい所がフライフィッシングの取っ付きづらさなのかもしれません。流し読みでもいいのでサラッと読んで下さい。
フライフィッシングは釣りをする場所(フィールド)の広さや対象とする魚の大きさ、使いたいフライの大きさで、使用する道具の大きさを選びます。
その大きさの段階付けが「番手」です。
大きさとは、アメリカの団体が定めたフライラインの重さのことです。
フライフィッシングのキャスト(竿を振ってフライを投げること)は、フライラインを前後に振って、フライラインの重みで竿を曲げて、曲がった竿の反発力を利用してフライラインとフライを遠くへ飛ばします。
フライラインが重くなるに連れて、より遠くまで飛ばすことができるようになります。
フライラインが重くなると、それを投げる竿の反発力も大きくする必要があるため、竿の太さや硬さが増していく傾向にあります。これが番手の大きさとなります。
フライラインが軽いほど低番手、重いほど高番手です。
フライロッドには必ず適合する番手が記載されています。フライラインの番手に応じたロッドを使用します。
リールにも番手の表示があり、フライラインと同じ番手を使います。親切なメーカーはラインを収納できる容量を記載していることもあります。
※フライラインの種類によって太さが変わるため容量が大きくなったり、リールの形状によっては一つ大きいサイズを選ぶこともあります。
基本的にはロッドとリールとラインは同じ番手のものを使うと覚えてください。
番手は0番手〜16番手あたりまでありますが、一般的には3番手〜14番手の中で各自が好きなものを使っています。
呼び方は「何番使ってるの?」「4番だよ。」と言ったりします。
表示は「#4」「4 Line」「LINE No.4」「4Wt」などとロッドのバット部分(竿の根本に近い部分)に書かれています。
湖のような広い場所では遠くまで飛んだ方が広く探れるため高番手のほうが有利になりがちです。
その反面、小渓流のような狭い場所での高番手は不必要(オーバースペック)で釣りづらくなります。
極端な話をすると、低番手で1m近いイトウを釣り上げることはできません。魚の引きに負けない高番手の強さが必要になります。
しかし、渓流で小型の魚を釣る場合には、高番手は魚の反応を感じ取りづらくなるので低番手が適しています。
大きなフライを投げるには、それを遠くに飛ばすパワー(高番手)が必要となりますが、渓流で小さなフライしか使わない場合は低番手で十分です。
このように、フライフィッシングは「フィールドの広さ」や「対象魚の大きさ」、「使用するフライの大きさ」に合わせて番手を選びます。
大まかな使い分けとしては、
渓流釣りなら3〜5番手
少し広めの中流域河川なら5〜7番手
広い下流域河川や湖では6〜14番手といったところです。
とはいえ、この使い分けに明確な決まりはありませんので、あくまで目安に考えてください。
たとえば、北海道の渓流釣りは50cmを超える大きなニジマスがいるので、5番手や6番手を使ってもいいわけです。
ちなみに私は7番手が好きで、わりとどこでも7番手を使います。
3番手でも50cmのニジマスが釣り上げられないわけではありません。
引きが強くてロッドが弧を描くようにグニャッと曲がり、釣り味としては最高に興奮します。その反面、ロッドが魚の引く力に対して弱いため、コントロールしづらく、釣り上げるのが一苦労となります。
そのやり取りが楽しいのですが、バラしてしまう(逃げられてしまう)リスクも高くなるわけです。
いろいろ書きましたが、最終的には自由ということです。各自が好きなように楽しめば問題ありません。
道具を購入するには、最初の1本を何番手にするか決めなければなりませんが、入門者には扱いやすい4番手~6番手がおすすめです。
6番手であれば湖でも対応できます。
フライロッドの種類
ロッドのスタイルは3種類ある
フライロッドには①シングルハンドロッド、②ダブルハンドロッド、③スイッチロッドという3種類があります。
①シングルハンドは言葉の通り、片手でキャストするロッドです。
ダブルハンドやスイッチロッドは初心者には扱いが難しいため、入門者はシングルハンドでの釣りをまず覚えましょう。
②ダブルハンドは両手でキャストするロッドです。
高番手になりフライラインが重くなってくると、片手で扱うのが大変になるため両手を使ってキャストをする方法です。そのためのグリップがリールの下側にも延長されています(アシストグリップ)。
③スイッチロッドは10年ほど前から流行り始めたスタイルで、状況に応じてシングルハンドとしてもダブルハンドとしても使える兼用タイプのロッドです。長さや番手も中間に位置します。
ロッドの長さはどのくらいがいい?
シングルハンドロッドの長さは7フィート~10フィートの物があります。
川幅が数m程度で木々が覆いかぶさるような渓流では2~3番手で7フィートほどの短い竿のほうが釣りやすいですが、持っている人は少ないと思います。
一般的なシングルハンドは8~9フィート台です。
初心者の場合も8~9フィート台で問題ありません。
例えば8フィート6インチではれば「8’6”」と表示されています。
※長さの単位はフィート(30.48cm)とインチ(2.54cm)を使います(12インチ=1フィート)。元々、イギリスで発展して世界中に広がった釣りであるためです。
最初は分かりづらいかもしれませんが、長さを感覚的にとらえるだけでOKです。メートルやセンチメートルに換算する必要は全くありません。
フライロッドのアクションってなに?
フライロッドのアクションとは、竿の曲がり方の種類です。(正確には竿が復元する早さです。)
①ファストアクション、②ミディアムアクション、③スローアクション、④パラボリックアクション、⑤プログレッシブアクションのおおまかに5種類あります。
「おおまかに」というのは、ファストよりも曲がりづらいエクストラファストや、ファストとミディアムの中間であるミディアムファストというタイプもあるからです。
結果から先に言うと、初心者はファストアクションまたはミディアムファストアクションまたはミディアムアクションまでを使ってください。
①ファストアクションとは竿を振った時、先端側が主に曲がる竿のことです。先調子とも言います。
③スローアクションは竿の真ん中あたりから曲がる竿で、ある程度の技術を要するため初心者には向きません。
④パラボリックに至っては、竿が全体的に曲がってグニャグニャのため、初心者ではまともに飛ばすことができません。
⑤プログレッシブは竿を振った時の負荷の強さに応じて曲がる場所が変化する特殊な竿と思ってください。これらの竿は中級者以上になってから使いましょう。
②ミディアムアクションはファストアクションとスローアクションの中間の位置から曲がる竿です。
これからフライフィッシングをはじめる方がキャストの感覚を掴むにはミディアムアクションまでが限界と思ってください。
ファストアクションまたはミディアムファストアクションまたはミディアムアクションが、ラインを付けて振ったときに、手に伝わる感覚が掴みやすいため初心者に向いています。
ロッドアクションは直接ロッドには記載されていません。
入門キットにはほとんどの場合、説明が書いてありますが、中古購入等では「ロッド名」と「アクション」でネット検索して確認しましょう。現在、大抵のことはネットで情報が得られます。
フライロッドはどんな素材で出来ているの?
フライロッドの素材には①グラファイト(カーボン)、②グラスファイバー(ガラス繊維)、③バンブー(竹)の3種類があります。
現在はグラファイトが主流です。グラスファイバーは一世代前の素材になっています。バンブーロッドには愛好家がいますが、非常に高価です。
初心者はもれなく①グラファイトでOKです。
フライロッドのピースについて
ロッドは長いため、幾つかに分割(ピース)できるようになっています。
2本に分かれる「2ピース」が主流ですが、3本に分かれる「3ピース」や4本に分かれる「4ピース」、もっと多い物もあります。
通常は2ピースで問題ありません。
分割できる数が増えると、小さく仕舞えるため、持ち運びが楽になります。バイクや公共交通機関で釣りに行かれる人は、4ピースや5ピースの竿をバックパックに入れて出掛けられます。
フライリールの種類
リールはフライラインを巻き留めるためのものです。使用する種類のフライラインが収納できる容量があれば何でもOKです。
ドラグにはラチェット式(クリック式)とディスク式がありますが、初心者の時期はこだわる必要はありません。ラインを全て巻き留められさえすれば、どんな物でも大丈夫です。
ドラグとは
ドラグとはリールからラインが引き出されるときに掛ける抵抗のことです。ラインがリールから勝手に出ないようにするのが目的の一つです。
もう一つは、ビッグサイズが釣れたとき、魚は逃げようと必死に抵抗して強く引きます。その際にティペットが張力で切れてしまわないよう竿でいなしたり、フライラインをリリース(リールから出すこと)して緩衝させます。
大きな魚とのやり取りにはディスクドラグの方が抵抗を調節できるため便利ですが、指でリールのスプールやフライラインの摩擦を調節すれば済みます。
リールは右手で巻く?左手で巻く?
リールは右手で巻く人と、左手で巻く人がいます。ほとんどのリールはどちらでも設定できます。右利きの人は左手で巻く動作が苦手ですが、余裕が出てきたら左手巻きに変えた方がいいです。
なぜなら、右利きの人は右手でフライロッドを振るため、魚が釣れてリールを巻かなければならないときにロッドを反対の手に持ち替えなければならないためです。
左手巻きであれば、右手でロッドを持ったまま巻くことができるので、わずらわしさが無くなります。最初はぎこちないですが、すぐに慣れます。
リールのアーバーについて
フライラインを巻き取る部分をスプールといいます。その軸をアーバー(心棒)と言います。元々はこのアーバーは細いタイプしかありませんでした。
最近は太いタイプが流行っており、大きい物をラージアーバー、中くらいのをミッドアーバー(ミドルアーバー)と言います。
アーバーが大きいと見た目もカッコよく、巻き癖も付きづらくなります。その反面、ラインを収納できる量が少なくなるため、リールが全体的に大きくなる傾向にあります。
ラージアーバーは1回転で巻き取る長さが増えるため、早く巻き上げることができますが、リールサイズが大きくなって、ロッドとのバランスが悪くなることがあるので要注意。
最初は細いタイプかミッドアーバーがおすすめです。
リールの容量について
リールにも番手の表示がされているため、使用するラインとロッドに合わせて使用するのが基本です。
通常は下巻きであるバッキングラインとフライラインを両方巻いた状態を想定して作られています。
ただし、ラージアーバーには注意が必要で、メーカーによっては同じ番手でも巻ききれず、1~2番手大きいものを選ばなければならない場合があります。
また、リール自体が大きくなり、ロッドに取り付けた際に見た目にもアンバランスになってしまうこともあります。
※特に中国などのノーブランド商品には要注意です。番手が記載されていても当てにならない物があります。
ラージアーバーを使いたい人は釣具店の店員さんに相談してみてください。信頼の置けるメーカーや商品を教えてくれると思います。
国産メーカーのリールには、親切に容量が記載されているものがあります。
例えば「WF7F+230(m)」と書いてあれば、ウェイトフォワードというテーパーの7番手のフローティングラインとバッキングラインを230m巻くことができますという意味です。
※バッキングラインとフライラインの説明はこの後の項目を読んでくださいね。
もしこのリールに同じ番手であってもダブルテーパーのフライラインを巻く場合は、ウェイトフォワードに比べてフライライン自体の容量が増えるためバッキングラインを減らして、全体の容量を調節することになります。
リールに「#4-5」や「Ⅳ-Ⅴ」などといった、ふた番手兼用と思われる記号が記載されていることがあります。これは目安ですが、「ダブルテーパーの4番もしくはウェイトフォワードの5番なら入りますよ。」といった意味になります。あくまで目安に考えてください。
バッキングラインとフライラインを巻いて、少し余裕がある状態がベストです。
最初は本体や説明書に容量が記載されている物を選んだ方が間違いないです。
バッキングラインとは
リールへ最初に巻くのはバッキングラインです。
いわゆる下巻きのことで、スプールの心棒に巻きつけることで、アーバーを太くすることが出来て、巻き癖が軽減されます。
フライラインは30m弱しかありません。大きな魚が釣れた時、ごく稀に遠くまで一気に泳いで行き、フライラインの長さだけでは足りなくなることがあります。めったに無いことですが、そういう時の予備としても機能します。
引っ張り力に耐えられる強度には、30lb(30ポンド)と20lb(20ポンド)があります。
最初は20lbでOKです。最初から大物を狙いたい人は30lbで。
色は何色でもOKです。好みでどんな色を巻いても釣りには影響しません。
フライラインの種類
浮くラインと沈むラインがある
フライラインには、フローティングラインとシンキングラインがあります。
その名の通り、フローティングラインは水面に浮くラインです。
シンキングラインは水中に沈むラインです。
先端の数mだけ沈むシンクティップラインというものもありますが、最初は気にしないでください。
フローティングラインはグリーンやオレンジ、ベージュなど、各メーカーから様々なカラーが出ています。
一見して派手な色使いだと魚が警戒して釣れなくなるのではと思われるかもしれませんが、関係ありません。
なぜなら、水中から水面を見上げると、全て黒く見えます。枝でも葉っぱでも同じです。
なのでラインの色は好きなものを使ってください。
シンキングラインは水中に沈めるので、横に見ることにもなるため、暗い色が多いです。
シンキングラインは沈むスピードによって段階分けされており、その段階を「シンクレート」と言います。
沈むスピードが遅い順に、インターミディエイト、タイプⅠ、タイプⅡ、タイプⅢ、タイプⅣ、タイプⅤ、タイプⅥ、タイプⅦなどがあります。
釣り場の状況や釣り方によって使い分けます。
一番最初に買うべきフライラインはフローティングラインです。
キャストを身に付けるためにも振りやすいフローティングラインを使いましょう。水面に浮かべるドライフライにも、沈めて釣る一部のウェットフライにも使用できます。
形状による種類
フライラインは通常、約30mあります。30mの中で、太くなったり細くなったりする形の違いによって①ウェイトフォワード、②ダブルテーパー、③シューティングヘッドの3種類があります。
どのラインも両端がテーパー状(徐々に細くなる)になっているのは同じですが、
①ウェイトフォワードは先端から約1/3の長さが太く、それ以降は細いラインです。先端に重さが集中していて、それ以降が細く、摩擦抵抗も少ないため遠投に向いているラインです。
②ダブルテーパーは両端のテーパー以外は一定して太いラインです。一定して太いため、竿の力が伝わりやすく、ラインのコントロールがし易いため入門者に向いています。
③シューティングヘッドは先端の太い約10mだけのラインで、シューティングラインと言われる摩擦抵抗の少ない、細いラインと繋げて使用します。遠投に向いており、全長が短いため、状況に合わせたラインの交換が楽に行えます。
初心者は最初にまず基本的なラインの扱いを身に付ける必要があるため、ダブルテーパーを買いましょう。
ダブルテーパーは使用に伴ってラインが傷んでしまった場合、前後を逆につなぎ直して使うことができます。キャストが上達するまでに地面や障害物に接触することが多いと思うので、経済的でもあります。
リーダーについて
リーダーはフライラインの先端につなげる透明な釣り糸です。根元はバットと言って太く、徐々に細くなり(テーパー)、先端部(ティップ)は最も細くなります。
リーダーの先にティペットをつなげて、その先にフライを結ぶことになりますが、フライラインから伝わってきた力をフライまで伝える役目があります。
また、フライラインを直接フライにつなげると違和感がありすぎるので、徐々に釣り糸を細くして目立たなくしていく役割があります。
リーダーの太さ
太い順に03X、02X、01X、0X 、1X、2X、3X、4X、5X、6X、7Xとあり、太さの単位に「X」を使用し、数字が大きくなると細くなります。
釣り方や対象魚の大きさに合わせて太さを選択するのですが、渓流釣りでは5X 、6Xで十分です。
対象魚が50~60cmともなれば3Xや4Xを使ったり、イトウやサケを釣る場合は02Xや01Xを使用します。
リーダーの長さ
主に7.5フィート、9フィート、12フィートの3種類が基本で、特殊な仕様として各メーカーから他の長さも出ています。
リーダーの素材
ナイロンまたはフロロカーボンがあり、ナイロンは伸縮性があり安価、フロロカーボンは張りがあり、光の屈折率が水に近いため水中で目立たないが高価という特徴があります。
初めのうちは「9フィート」の「ナイロン」が基本となります。
ティペットについて
ティペットはリーダーの先につなげて、反対側の先端にフライを結びます。
ティペットの太さや素材
太さの単位や素材はリーダーと同じですが、ティペットはリーダーと同じか、一番手細いものを使います。
細い方が魚に違和感を与えづらくなりますが、当然、強度は弱くなり切れやすくなります。
使用する長さはどのくらい?
50cm~1.5mの間で仕様します。長い方がリーダーからフライを遠ざける事が出来て、自然に見せることができますが、長くなればなるほど、扱いが難しくなります。
ティペットが必要な理由は、フライを変更するたびに短くなることや、状況に合わせて太さを選べるためです。
慣れるまでは「ナイロン」を「60cm~70㎝程度」で使用しましょう。
フライの種類
ドライフライ
ドライフライは水面に浮かべるフライです。水面に落ちた虫を演出します。
代表的なものでは、カゲロウ(メイフライ)、トビケラ(カディス)、カワゲラ(ストーンフライ)、セミ、甲虫類・バッタ・クモ・アリ(テレストリアル)ユスリカ(ミッジ)などを模したフライがあります。
ミッジとは非常に小さい虫を模したフライの総称です。
ウェットフライ
ウェットフライは水中に沈めて使うフライの総称で、ニンフ、ストリーマー、アトラクター系があります。
ニンフとは水生昆虫の幼虫を模したフライです。カゲロウ、トビケラ、カワゲラ、ユスリカは幼虫の時期を水中で過ごします。成虫になるときに水面に上がったり、石に這い登って孵化します。
ストリーマーは小魚を模したフライです。鱒類は雑食で、水生昆虫の幼虫や水面に落ちてきた虫の他に、自分より小さい小魚も食べるためです。
アトラクター系のフライというものもあります。何とも言いがたい形や色使いで、魚からすると何物か分からないけど形や動きがエサっぽいから食べてしまおう!といったフライです。捕食という本能に訴えかけて、思わず食べてしまうのだと思います。
フックサイズ(つり針の大きさ)
フックサイズは#を使って単位を表示します。数字が小さい方が大きな釣り針で、数字が大きくなると釣り針のサイズは小さくなります。
渓流や湖での釣りでは、おおむね#4~#20の間で使用しますが、一般的には#8~#16あたりを使用することが多いです。
最初は#12、#14、#16あたりのフライを買うとよいでしょう。
※フライの場合は「何号」ではなく、フックも「何番」と呼びます。
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魚の生態とマッチ・ザ・ハッチ
フライフィッシングは魚が食べているものと深い関わりがあります。
例えばニジマスは、水中にいる水生昆虫の幼虫や水面に浮いている虫に加えて、自分より小さい小魚も食べてしまいます。
そのため、それらに似せた毛針(フライ)を餌と思わせて食べさせるのがフライフィッシングです。
水生昆虫や陸生昆虫の成虫を模した「ドライフライ」を水面に浮かべたり、水生昆虫の幼虫を模した「ニンフ」を水中に流したり、小魚を模した「ストリーマー」を泳がせて、魚に食べさせます。
そこに生息している虫や魚は地域によって様々で、それに応じたフライの種類も数え切れないほどあります。
魚が食べるものは季節によって変化し、一日のなかでも変化します。春先にはユスリカ(蚊のような虫)のような小さな虫を食べたり、夏になると流れて来るセミやバッタも食べます。
「朝間詰め」「夕間詰め」と言って、朝夕は魚のお食事タイムで良く釣れる時間帯です。午前中に予期せず水生昆虫が一斉に孵化しはじめると、急に釣れはじめることもあります。
気温や水温にも魚の活性は左右されることがあります。魚は変温動物なので、魚種にもよりますが水温が極端に低いと動きづらく活性が上がりません。真夏に水温が上がり過ぎても、バテて活性が下がってしまいます。寒い時期は太陽が昇った日中のほうが水温が上がって、魚の活性が上がりますが、暑い時期は朝夕の涼しい時間帯に活性が上がることが多いです。
魚を取り巻く状況に合わせたフライの選択や釣り方を「マッチ・ザ・ハッチ」と言って、魚との知恵比べを楽しむことがフライフィッシングの醍醐味のひとつになっています。
とはいえ、マッチ・ザ・ハッチでなければ釣れないかと言えば、そうではありません。
エサ釣りではミミズやブドウ虫を使うとよく釣れます。しかし、ミミズやブドウ虫は川に流れてくるような虫ではありません。魚は本能的にエサかどうかを判断して、それを食べて生きています。
そこに生息していないものでも、エサっぽいフライを流して、エサと思わせられれば釣れるということです。まさに化かし合いですね。
釣りは自然や環境に目を向ける機会になり、年齢を重ねても長く続けられる素敵な趣味だと思います。
渓流に流れる水の音や、風が木々の葉をサラサラと揺らす。そんな自然の中に身を置いて、日ごろのストレスを川へ流しに行ってみませんか?!
必要な道具を知りたい方はこちらもご覧ください。